アクアポリン遺伝子から探るデンジソウの水上葉形成メカニズム | 下中記念財団

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ノートルダム清心学園清心女子高等学校 田中福人

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アクアポリン遺伝子から探るデンジソウの水上葉形成メカニズム

Water Leaf Formation of Marsilea quadrifolia L.

第55回下中科学研究助成金取得者研究発表より

<h1>アクアポリン遺伝子から探るデンジソウの水上葉形成メカニズム</h1>

水位に合わせ葉柄を長く伸ばし、水面上に「浮き葉」を展開するデンジソウ。先行研究のない詳しいメカニズムを、高校生たちが「課題研究」として調べました。細胞内外の水の通り道であるアクアポリンというタンパク質をつくる遺伝子の働きに注目。転写(DNA→RNA)と翻訳(RNA→タンパク質)の量が環境によって変化することが、実験で明らかになりました。


1.はじめに―デンジソウについて―

デンジソウ(学名:MarsileaquadrifoliaL英名:Waterclover)は夏緑性の水生シダ植物であり、水田や沼などの流れのない水域で生育する。和名を漢字で記すと「田字草」となるが、これはクローバーのような小葉4枚が開いたときに「田」の字のように見えることからこの名前がつけられている(図1)。ホームセンターでは、アクアリウムの水草として市販されており、睡蓮鉢等でつくられるビオトープに植栽されるなど、観賞用としても人気がある植物種である。

野外での分布範囲はヨーロッパ・インド北部から東アジアで、国内では北海道・本州・四国・九州と奄美大島の低地に生育する。かつては、暖かい地域を中心に普通に見られ、水田の雑草とされていたが、農薬・除草剤の使用による水質の汚染、水田の耕作方法の変化、さらには水田の減少などで個体数が激減し、環境省レッドリストでは、絶滅の危険が増大している種として『絶滅危惧Ⅱ類』に選定されている。そのため、自然保護センターや植物園等を除いて、野外で見かけることはほとんどなくなってしまった。


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