「平和」という木に 「教育」という水を

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法政大学中学高等学校 川島健治

科学読み物教材の開発

SCIENCE READING TEXTBOOK

第56回下中科学研究助成金取得者研究発表より

<h1>科学読み物教材の開発</h1>

社会に出ても役に立つ科学リテラシーを子どもたちに身につけさせるには、「科学読み物」を利用することが近道です。ただ、一口に「科学読み物」といっても、じつは対象年齢が低いものが多く、高校の授業で使えるものを探すのは困難。……となると、もはや教師が自分で教材を作るしかない。これは、自ら教材開発に取り組んだ法政大学付属中学高校の教師によって書かれた悪戦苦闘と気づきの記録です。


1.はじめに

本校は法政大学の附属校で、約9割の学生が法政大学へ進学する。法政大学の理系学部に進む人数は高校1学年240名中20名程度と約1割程度となる。本校の理科教育の特徴は、文系学部進学者・理系学部進学者問わず、すべての生徒が「市民として必要な科学リテラシーの獲得」を目指している。そのため、文系理系のコース選択制をとらない。文系理系問わず、すべての生徒に物理4単位、化学4単位、生物4単位、地学1単位を必修にしている。地学の単位数は少ないが、物理、化学、生物の中で地学の内容も扱っている。例えば、物理では太陽系を含めた宇宙を学ぶことになっている。

本校では、すべての生徒が、環境問題や地震などの自然災害などが起こる世界で、自然災害や環境問題、科学的知識が必要とされる事柄にたいして、非専門家として判断できるだけの科学リテラシーを身につける必要があると考え、すべての生徒が物理・化学・生物・地学を学ぶようなカリキュラムになっている。

私は、科学リテラシーを身につけるために、学校教育だけでは不十分であり、自分自身で科学を学ぶ習慣を身につけてほしいと考えている。具体的には、大人になっても科学の新聞記事や本を読むことができる能力・習慣である。そのために、「本を読んで内容が理解できるだけの基礎的な科学概念の獲得」と「本を読もうとする科学への興味関心」の2つが必要になってくる。

この2つを身につけるためには、私は学校の科学教育の中で、すべての生徒が、科学の基礎を理解し、科学の楽しさを感じてほしいと思っている。科学を良く理解し、科学を楽しいと感じてくれることが、将来大人になった時、科学の新聞記事や本を読み、非専門家として環境問題や自然災害などの自然現象に対する自分の判断を持つことができると考える。


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