AIによる画像分類を用いたレーザ彫刻機の焦点距離判断 | 下中記念財団

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大和大学〈申請時 岐阜工業高等専門学校〉 佐藤 敦

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AIによる画像分類を用いたレーザ彫刻機の焦点距離判断

AI-Based Image Classification for Focus Distance Determination in Laser Engraving

第63回下中科学研究助成金取得者研究発表より

<h1>AIによる画像分類を用いたレーザ彫刻機の焦点距離判断</h1>

市販のレーザ彫刻機には、2つの赤色レーザの交点から焦点位置を確認する仕組みが搭載されているものがある。これは、あくまで手動調整を補助する仕組みであり、自動化に至っていない。本研究の目的は、赤色レーザの交点を撮影し,AIによる画像分類を適用することで焦点距離を判断することである。

緒論

1.1 レーザ加工の焦点調整

近年、レーザ加工は高精度な切断や彫刻を可能とする加工技術として注目されている。レーザ加工は、レーザ光線を照射し、加工物の所定部分を融解及び蒸発させる加工法である。加工品質や効率は、レーザ光の焦点調整精度に大きく依存する。しかしながら、多くのレーザ加工機が手動による焦点調整に依存しており、調整作業には時間と熟練を要する。

Xuらは、レーザ光を試料に照射し、回折パターンを解析する画像処理を用いた焦点検出手法を提案している。また、Polatらは、レーザ集光点の回折パターン画像を、“畳み込みニューラルネットワーク”で分類することにより、焦点位置を特定する手法を報告している。これらは高い精度を誇る検出手法である一方、高精度な光学系や高性能GPU、大容量データ(膨大な画像データセット)を必要とする。

1.2 レーザ加工における熱加工

レーザ加工には、穴あけ、切断、トリミングなどの除去加工から、溶接や肉盛りなどの付着加工などの多様な種類がある。

レーザを材料表面に照射すると、照射部分は光エネルギーを吸収してその温度が上昇し、格子活動が活発になる。温度が融点以上に達すると、材料は溶融・蒸発し、溶融池内では気泡崩壊によって液体状態で飛散し除去される。十分に強いレーザ光を照射された部分は、昇華によって除去される。これが一般的なレーザ加工原理であり、レーザ熱加工と呼ばれる。

1.3 レーザの種類

レーザは、発振媒体(レーザの光を生み出す物質)によって「気体レーザ」「固体レーザ」「半導体レーザ」「液体レーザ」の4種類に分類される。それぞれの特徴は以下の通りである。

気体レーザは、気体を媒質とするレーザであり、出力が安定していて大面積の加工に向いている。代表的なものとして、炭酸ガス(CO₂)レーザとエキシマレーザがある。固体レーザでは達成できない波長域でのレーザ発振が可能であり、波長変換にも適している。CO₂レーザは高出力が得られ、エキシマレーザは短波長で高精細な加工が可能である。また、装置が比較的簡単な構造でありながら、高出力エネルギーや高平均出力の発振が可能であるという利点を持つ。

固体レーザは、固体の結晶やガラスを媒質とするレーザであり、高出力かつ高エネルギー密度を持つことが特徴である。特に微細加工や精密マーキングに適しており、YAGレーザはCW(連続発振)とパルス発振の両方が可能である。これにより、幅広い加工用途に対応できる。

※全文はこちらからPDFにて閲覧いただけます。

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